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<前編>山羊座冥王星・土星:女性に纏わる怖れと怖ろしい母親について


画像著作者:-Jefferey-


2008年に冥王星が山羊座に入宮してからというもの、個人そして社会や政治のレベルにおける抜本的な権力構造の再形成が、世界中で起き続けています。そして、山羊座の支配星である土星がまさにその山羊座に移行した今と、さらに来年から始まっていくこれら二つの星の重なり(コンジャンクションー合)は、世界各諸国やその国民らがこれから先250年(冥王星の公転周期)かけて持ち得る方向性を示していくことでしょう。過去からの事実を例としてお伝えすると、政治的権力の象徴であるアメリカ合衆国の国家としての誕生は、実に山羊座冥王星時代に起きたことなのです。


この時期の権力構造の再形成について、父性のイメージである「権力」に従属する、言わば「男性支配的文化」においては、特にその変化が顕著だと言えるでしょう。その「権力」を有する者がイギリスやドイツの首相たちのように例え女性であっても、(その性別には)関係のないことで、「権力」の構造というのは、常に垂直であり、その「権力」がもたらす価値というのは、奪い奪われるものであり、そして、その「権力」を有する者は、堅固かつ効率性高く、その上、明確であることが求められるのです。


この星々の動きが引き起こす深いレベルでの変化とその変化がもたらすものを理解するために、エリック・ノイマン(Erich Neumann 1905-1969)の見解をここに用いてみたいと思います。彼は、グスタフ・ユング(心理学者)の生徒であり学者で、ノイマン自身の女性に対する考えが、(女性を)インスピレーションと変容のエネルギーの源泉として捉えており、その考えが、繊細かつ洗練されていることに、わたしは常に敬服しているのです。


ノイマンの視点から考えると、人間は二つの元型の段階を経て進化を続けますが、その最初の段階を「母権制段階 matriarchal stage」と呼び、1歳前後の赤ん坊にとって「母」という存在が食糧・暖かさ・安全といった宇宙の全てであること、すなわち「母親への完全なる依存」の段階として意味付けられています。そして人間は、その段階を経た後、徐々に明晰性・区別・責任といった価値観を伴った「父権制的世界」へと向かい始め、その過程で「分離の痛みと不確かさ」を体験し始めます。そうすることによって男性または女性は、一人の「個人」となることができるのです。このノイマンの視点には、いかなる種類の偏りも含まれておらず、主に心理学と人類学のアプローチに見受けられるものであり、「母権制段階」が「父権制段階」よりも優っているということを意味している訳ではなく、どちらの段階も人間の進化の過程において相互に補完し合っており、どちらもが必要だと考えられています。


黄道十二宮においては、「建造物の基礎」から「責任とキャリア」へと橋渡しをする蟹座と山羊座を結ぶ軸と、第4ハウスと第10ハウスを結ぶ軸において、先のノイマンの見解と同じことが描かれています。その軸によって描かれている動きというのは、完全に垂直方向にはたらくものであり、上昇運動の象徴的意味(シンボリズム)と関連しています。


(現代社会における)人ーそれが男性であれ女性であれーは、競争社会の中で果敢に挑戦していくことを強いられることで、彼または彼女は、暖かくて心地良いお母さんの胸の中に居続けるという誘惑(つまり家族に依存し過ぎるという意)を避けて通らねばなりませんが、このことは、人間が「母権制段階」で体験し更に発展させてきた「女性性のエネルギーが持つ繊細さ」を否定することを示唆しているのでは全くない、ということをここに書いておきたいと思います。実はその真逆で、女性性のエネルギーというのは、「創造的思考」と「事実が露呈すること」を表しており、そのような女性性のエネルギーとのつながりを断ってしまった男性は、ドライで冷たくなり、同様の女性は、敢えてネガティブな言い方をすると、典型的な「男勝りなタイプの女性」になってしまうのです。


社会という場所は、価値としての女性性のエネルギーを下げるような仕組(男性は強く、女性は弱いといった)を持ち得るか、もしくは、社会が、女性性に怖れを抱く余りに、例えば「世俗的な成功」(ソーシャルと経済のパワー)にのみ価値を見出すもの、という決め付けをしてしまう、ということも言えるでしょう。今ここで挙げた2つの真逆な状況は、まさに今、危機的状況にあると言えます。一つは、トランプ大統領の女性に対する態度を例とし挙げることができます。そしてもう一方では、数多くのハリウッドで活躍する女性たちによる男性から受けた虐待という事実の暴露がなされたこと(#MeToo運動を指します)、そしてまた、最近のスポーツの世界における虐待についてのスキャンダルも同様に考えることができるでしょう(スポーツ界は、伝統的に男性性のエネルギーと関連付けられています)。


後編では、「女性に纏わる怖れが露わになる3つのシチュエーション」について書こうと思います。


ザビエ・ベトコート

(翻訳:持田直子)


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英語原文


The 1st Part: PLUTO AND SATURN IN CAPRICORN: FEAR OF THE FEMINIE AND THE TERRIBLE MOTHER


A radical reshaping of the structures of power has been taking place throughout the world at the personal, social and political levels, ever since Pluto entered in Capricorn in 2008; now the transit of Saturn in its sign of rulership, and the eventual conjunction of these two planets next year, will show what direction states and nations will take for the next 250 years (the cycle of Pluto); The USA, emblem of political power, for example, was born with Pluto in Capricorn.


This will be particularly true in the so called patriarchal cultures subordinated to the authority of a father image; it does not matter if the supreme leader is a woman, such as the UK Prime Minister, or the German Chancellor, in the patriarchal culture the structure of power is always vertical, the values are highly competitive, and authority is expected to be firm, efficient and clear.


To understand the consequences and the deep changes that these transits involve, I want to apply the outlook of Erich Neumann (1905-1960), a student of Jung, and a scholar I have always admired for his delicate and sophisticated vision of the feminine as a source of energy of inspiration and transformation.


From this perspective, the human being evolves through two archetypal stages, the matriarchal stage, defined by the total dependency on the mother, particularly during the first year of age where the mother means the whole universe for the baby, such as food, warm and security; gradually, the human being starts a painful and uncertain process of separation towards the patriarchal world of values: clarity, discrimination, responsibility. Thus, a man, or a woman, becomes an individual. There is not any kind of bias in this perspective, it is mainly a psychological and anthropological approach; it does not mean that the patriarchal stage is superior to the feminine, both are complementary and necessary for human evolution.


In the zodiac, this is illustrated by the axis Cancer Capricorn, and by the IV House and the X House, from the building of foundations towards responsibility and career. The movement is perfectly vertical, and it is associated to the symbolism of ascent, an upward motion.


The person, male or female (in modern societies), is expected to take the challenge the competitive society offers, and he or she has to avoid the temptation of remaining stuck inside the warm and comfort of the mother’s bosom (stay too attached to the family); this does not mean, at all, that he or she has to reject the feminine sensitivity experienced and developed at the matriarchal stage. On the contrary, the feminine energy stands for inspiration and revelation: a man cut off from the feminine becomes dry and cold; and a woman, too much like a man, in a negative way, becomes the stereotype of the amazon.


A society can set a system of values degrading the feminine (man strong, woman weak and silly), or a society disguises the fear of the feminine enthroning only values such as success and worldly appearances (social and economic power). These two opposite attitudes are clearly in crisis nowadays; on the one hand, see president Trump’s attitudes towards women; on the other hand, the disclosure of so many women in Hollywood (MeToo) denouncing male abuses; think, also, of the scandals about abuse in sports institutions (traditionally associated to male energy).


In the 2nd part, I'll talk about three main situations where the fear of the feminine can be recognized.


Xavier Betancourt


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